着物の格問題に悩んだら

 

「これを着ても大丈夫?」悩む’格’問題

たまに、友人の結婚式に手持ちの着物を着たいけど、この組み合わせで大丈夫か、というお問い合わせをいただきます。
最近は、だいぶ自由度が増えた気もしますが、やはりフォーマルなシーンにおける「格問題」は気にする方はまだ多いのだなと感じています。

私も以前から書いていますが、やはり”正装としてのフォーマル”として着るのであれば、ルール通りの方がよいことは事実です。
結婚式などは様々な背景や年齢の方がいらっしゃるものですし、そのような場では、そもそもルールを守ることが寿ぐ心遣いでもあるからです。

そうはいっても、すべてのケースに対応できるような数を持っていない方も多いでしょう。自分好みの普段着などはさておき、フォーマル用のものはお母様や親戚から譲られたものしかない、という方もいらっしゃると思います。

そんなとき、どう考えたらいいか、いつも私がお答えしていることをお話ししますね。

着物の格問題に悩んだら、この3つを押さえよう!

 

ポイント①:見た目で違和感がないかどうか確認

よく聞かれるのは、この着物は付け下げか訪問着か、フォーマルな場で着ていいのか、ということです。そんな時、私は見た目ではっきりわからなければ、堂々と着てしまっていいのでは、とお話ししています。

着物の種類の大きな違いは、柄の向きです。小紋は柄が一方向に付けられるので、柄に上下がある場合に上向きと下向きができてしまいます。反面、付け下げや訪問着は、柄が全て上を向いています。さらに訪問着は絵羽模様といって、一枚の絵のように身頃から袖まで柄が繋がっている点に違いがあります。袖や衿の縫い目をまたがずに柄が独立しているものは付け下げ、縫い目をまたいで柄が続くものは訪問着と覚えておくとよいでしょう。

通常、小紋はカジュアルと位置付けられています。訪問着と付け下げだと、訪問着の方が格上ですが、付け下げも主賓などでなければ十分結婚式や茶会など正式な場でも通用します。
小紋とはっきりわかるものはやっぱり避けた方が無難ですが、それ以外であればあまり気にする必要はないと思います。

柄を気にする方も多いですが、特におめでたい柄は通年着ても問題ないものが多いです。例えば、以下のような柄はすべて通年OKな柄です。

四君子

鴛鴦
御所車

熨斗
短冊
貝合わせ

鳳凰

亀甲

唐草・唐花

迷うようなら、例えば桜の着物のように、季節感のある植物一つだけのものを避け、花束のようにいろいろなモチーフが組み合わせられているものにすればほぼ大丈夫だと思います。

ポイント②:袋帯にする


着物より重要なポイントが帯です。フォーマルな場においては、金、銀箔が入った格調高い袋帯を締めれば、大体の場合なんとかなります。
結び方もお太鼓が無難です。

名古屋帯や半幅帯は避けた方がいいでしょう。金、銀箔が入っていれば名古屋帯でもよさそうに感じますが、名古屋帯を使ってお太鼓を結ぶと、長さが足りず一重太鼓になってしまいます。袋帯を使った二重太鼓とは一目瞭然で違いがわかるので、「帯は袋帯を使う」、これは守った方が安心です。

参考までに帯揚げや帯締めも、できるだけ上品な淡い色合いのものにすると、よりフォーマル感を出せるので試してみてください。

ポイント③:金糸銀糸などが使われているものを優先する

帯のところでも書きましたが、金、銀箔が入っているものは基本的にフォーマル用です。(もちろん、カジュアルに使っていけないわけではありません。)

手持ちの着物、帯や小物がいくつかあって、どれにしようかなと悩んだら「金糸や銀糸が使われている」「金箔や銀箔が入っている」ものを選ぶといいと思います。

本当に正式な場所であれば、例えば真夏に袷着物などは暑苦しく見えて避けたいですし、素材なども季節に合わせたいですが、現代は結婚式くらいだとそこまで求められないケースも多いと思います。
フォーマルな着物や帯はなかなか普段使う機会がありません。ぜひたくさん使ってあげてください。

 

これを書いた人★

洋服で飲みに行くと「あれ着物じゃないの?」といわれてしまう普段着物研究家。
ランナーでもあり、ランニングウェアと着物があれば基本の生活ができてしまう人。
沖縄独特の茶道「琉球茶道ぶくぶく茶」 の東京分室主催。
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浴衣に足袋、正しい?間違い?


下駄に足袋はあり?なし?


先日、SNSで浴衣に足袋を履くことは間違いだという投稿が、ちょっとした炎上に発展したことがありました。

常々このブログでも書いていることですが、いわゆる冠婚葬祭の「和装」としての存在を求められない限り、足袋を履こうがソックスをあわせようがとがめられるものではないと私は考えています。
日舞をしている方なら浴衣に足袋は普通でしょうし、少し良い浴衣を購入するときに、半襟と足袋を添えれば夏着物として着られますよ、という風に教えられたという方もいらっしゃると思いますが、それも間違いではありません。

私自身は、そもそも夏着物のように着れるかどうかは、”その浴衣”によると思っています。

浴衣といってもピンからキリまであります。旅館にあるような筒袖のペラペラなものから、竺仙のもののように下手なプレタよりも高価なものもあります。

素材自体も、いわゆるよくみかける綿コーマの浴衣だけでなく、有松絞りなど加工に手がかかっているもの、長板中形のような染めに手間がかかったもの、綿紅梅のように織自体が複雑なものなど、本当にいろいろです。そのレベルだとほとんど夏着物と変わらないので、足袋を履いて夏着物として着る、は全然ありです。特に、半襟を組み合わせるなら足袋も履いたほうが適切だと思います。

逆に、そもそも旅館クラスの浴衣を、夏着物のように着ようと思う方はそういないでしょう。

白木の下駄は足袋、塗りの下駄は素足

それでも不安という方もいるかもしれません。そもそも浴衣を着るときに足袋を履くことは、ルールとしては正しいのでしょうか、間違っているのでしょうか。

「白木の下駄は足袋、塗りの下駄は素足で」

これは、私が以前着物の先輩方に教えていただいたことです。
簡単にいうと、白木そのままの下駄は塗装がされていないので汗や皮脂の跡がつきやすく、足裏の水分を吸い込んでシミになったり、汚れやすいので足袋を履くようにする。焼きや塗りが施された下駄はそのようなことがないので、素足で履いてもOKというルールです。

つまり下駄の素材にもよる、という話です。
ルールとして正しい正しくないがはっきり決まっているわけではないのです。

現代的に考えると、足袋は洋装でいうところの靴下やストッキングです。
例えば誰かのお宅に伺う際に、素足のまま上がり込むわけにはいきませんよね。神社のお祭りなどでも、揃いの浴衣姿の世話人さんたちはほぼ必ず足袋をはいています。これはやはり神事であり、素足は神様に失礼ということなのでしょう。

こんな風に”素足”や”生足”がふさわしいか否かで考えてみれば、そこまで変な判断にはならないのではないでしょうか。

愛用の下駄たち。素足が好きなので加工してある台が多いです。

少し歴史的なことをいうと、草履の登場は昭和10年くらいで、それ以前はみんな下駄を履いていました。下駄に足袋というのも、そう考えればちゃんと歴史的にありなのです。
現代では下駄を浴衣専用と思っている方も多いようですが、和装としてのフォーマルを求められたり音が気になる場でなければ、下駄でも問題ないケースは多いです。私自身も下駄の方が好きで、カジュアルな着物の時はほぼ下駄です。

なにか言われてしまったら「素足ではふさわしくない場所にあとで伺うので足袋をはいています」で通してしまえば十分ではないかと思いますよ。

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暑すぎる日でも着物が着たい!そんなときのアイディアいろいろ


暑すぎて着物を着られない?


7月に入ったばかりだというのに、気温が上がる一方です。

下手したら体温越えだったりして、着物ででかけたいけれど、天気予報の予想気温を見てひるんでいる方も多いのではないでしょうか。
(なにを隠そう、私もそうです)

先日の記録更新の猛暑日、ぶくぶく茶のお稽古と体験会があり、沖縄の琉装(ウチンシー)風に着物を着たのですが、帯なしの琉装でさえ外を歩いていると倒れそうなほどでした。

ちなみに、ウシンチー(紐の中に押し込める=ウシン、着方(チー)風で着物を着るとは、こんな感じです。

この着方も暑い日のひとつのアイディアですが、やっぱり暑くても着物を着たいときにどうしたら少しでも涼しいか(涼しげではなく(笑))、私の経験から少しあげてみようと思います。

暑い日に着物を着たいときの5つのアイディア

1.肌に張り付かない薄手の素材を選ぶ

できる限り、肌に張り付かない素材がやっぱり涼しいです。麻やサッカー地風の綿などが個人的にはおすすめです。薄手の絹もありですが、汗をかくと後が大変なので、自分で洗える素材がやっぱり気楽だと思います。
とにかく身体に密着しないような素材を厳選しましょう。

2.吸水性の高いインナーを着る

どうしても重ねているところは汗がたまるので、吸汗性の高いインナーを着ることで少しでも汗を吸収してもらいましょう。
特にウェスト回りや帯の下は、補正でなくてもタオルを巻いて汗を吸わてしまう、などの対策をしたほうがべたべたせずに快適だと思います。

また、着物専用でなくても、例えばアウトドア用の吸水性や渇きのよい素材のものなども使えます。

3.できる限り省略型の着方を考える

先ほどご紹介したウシンチー風の着方、一重の帯などで少しでも重ねる布を減らしましょう。
肌着と襦袢を重ねている人は、一枚で済むような機能的な襦袢などにすると、一枚分涼しくできると思います。
やはりそういう意味では、夏の着物としては浴衣が一番涼しいのかもしれませんね。

あとは、腰ひもを減らすことも意外と効果があります。
また、伊達締めを薄い素材のものにするとか、コーリンベルトに変えるなどもいいですね。

4.足元は下駄+素足

パナマ草履や麻の足袋も素敵ですが、涼しさだけで考えるなら断然下駄+素足です。
ペディキュアなどで遊ぶと、また違った楽しみがあります。

5.とにかく日差しを遮る

直射日光を避けるだけで効果は絶大です。

香港に住んでいた時、夏のハイキングなどでは傘をさすことが普通で、最初見たとき衝撃でした。でもやってみると、これは非常に効果的で涼しさは格段に違いました。
アウトドアでなくてもできる限り日差しを避けることは、疲労感をためないためにも有効です。

特に、頭部は体温調節に影響するそうですので、ぜひ日傘を活用することをお勧めします。
最近は日傘男子など普通になってきましたし、着物にあう、例えばアンティークっぽいデザインのものを探してみてはどうでしょうか。

あとは、できるだけ移動の際に地下街や通路を使うのもいいと思います。

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着物の衣替えルール、どうしてる?

 

着物の衣替えに悩んでいませんか

まだ5月だというのに、暑い日は25℃以上。
ここ数年、真夏だと35℃越えも珍しくなくなりました。

この季節感のギャップは、生活も困りますが、着物のルール的にも本当に悩みどころですよね。
一昔前は、夏日といってもせいぜい25~28℃くらいだったといいますから、やっぱり気温が上昇しているのだと思います。

ここまで気温が上がってくると、いわゆる季節の衣替えルールを守るのが難しいと感じる人は多いでしょう。
正直、最近の風潮であれば、そこまで厳格である必要はないと私も思います。

とはいえ、そこそこちゃんとして見せたいときもありますよね。
無知と思われてしまうのもちょっと嫌だし。

そんな方に、ちょっとした裏技やごまかし方(!)をお教えしたいと思います。

ごまかし方その壱:基本的な着物の季節ルールは表面だけに

基本的な衣替えルールはこんな風になっています。

10月から5月は裏地ありの「袷」

6月と9月は裏地なしの「単衣」

7月から8月は「薄物や浴衣」

これをちゃんと守るなら、ゴールデンウィークごろはまだまだ袷です。
また、残暑厳しい9月も、袷を着なければいけないということになります。
Tシャツで過ごせる気候に、肌着+襦袢+袷という四枚重ね、そこに帯。うーん絶対暑いですよね。
肌着はさらし綿が多いと思うのでまだましかもしれませんが、絹は汗を吸い込むとべたべたと暑く感じることがありますし。

そんな時は、まず襦袢を麻が綿にしましょう。可能であれば二部式より長襦袢の方がいいでしょう。
というのは、紐は意外と暑さの原因だったりするからです。

あとは、帯を八寸帯か九寸帯にするのも有効です。帯芯がない分、涼しいです。

一般的に、八寸帯はカジュアルな小紋や紬に合わせるものですが、金銀糸が入っていたり、綴織りのものなどは別格として訪問着などのフォーマルな装いでも使えるものもあるので、手持ちの帯をチェックしてみてはいかがでしょうか。

ごまかし方その弐:見た目で季節感をコントロールする

色や素材を工夫してみることもいいですね。

まずは色合い。
夏っぽさは寒色系、特に白っぽい色にすると涼しげに見えます。単衣の季節に袷を切ることは日常はあまりないかもしれませんが、フォーマルシーンで、夏物をもっていない、袷しかないということは割とあるので覚えておくといいですね。

通年着物を着たいなら、ウールや木綿の単衣を活用することもおすすめしたいです。これらはカジュアルな普段着ではあるのですが、基本的に
通年使用可能です。
私も愛用しています。

特に綿の着物は、浴衣のような薄手の生地でなければ、半襟や帯の色合いを工夫して夏でも冬でも着ることができます。ウールはふっくらした素材感のあるものは寒い時期だけが無難ですが、比較的薄手だったり、サマーウールと呼ばれるもの(こちらも薄手だったり織り方に透けがあるような生地感が多いです)などでしたら、工夫次第で通年着ることができます。
格子や縞などであれば季節を問わないので、旅行などにも便利ですよ。


結局、自分の感覚でいいんじゃない?

いろいろ書いてきましたが、最初に書いたようにそもそも昔の気温と今の気温は違うようですから、ルールは更新されて当然だと思います。
暑さにひいひい言いながら無理するより、自分の判断で自由に着ていいんじゃないかな。特に今は洋装ミックスなどあって、そもそも季節感ってあまり重視されていないような気もしますし。

ただフォーマルだとまだまだ気にする人は多いのは事実です。せっかく着物を楽しむのにいやな気分にならないよう、シーンにあわせて上手に工夫できるといいですね。

 

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女性の美容と健康に着物の効果がすごいんです


夏の気温がどんどん高くなってきている気がします。
浴衣はともかく、夏に着物は暑くない?ってよく聞かれるのですが、そりゃ猛暑だと暑いです。

でもね、実は洋服より快適なことも多いんです。

ついでに健康にもいいんです。知っていましたか?

 


着物の健康効果


例えば、

お腹が冷えない。

帯を巻いているから、腹巻と同じ効果。

腰痛持ちに嬉しいコルセット効果。

腰が支えられているので楽だし、姿勢もよくなる。
腰が痛い時には着物に限る、これほんとです。

冷房で身体が冷えない。

特に肩とか足とか冷えない。


最近の暑さを反映してか、室内とか電車内とか異常なレベルで冷房がきいていることも多いですが、下手に上着を持ち歩くより快適です。
それに、着物って、衿とか袖とか空間ありまくりだから、帯周り以外は結構風が通るので、見た目よりは涼しいのですよね。
身体が冷えず、思ったよりも涼しい。サイコーでしょ?




婦人病は現代の病という説も


昔は婦人病は少なかったといいます。
これは帯のおかげで、腰のあたりを冷やさなかったからだそうです。

実際に私も着物を着るようになって、月のものが明確に軽くなりました。周期も安定したし、好きな着物を着ている効果もあるのか、メンタルの落ち込みも減った気がします。

もちろん、Tシャツと短パンに比べれば暑いので、猛暑日には無理にお勧めしませんが(汗で着物の後始末も大変だし)、着物を着ることは女性にとって健康的な効果があるっていうことを、声を大にして言いたい今日この頃なのです。


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そもそも論。着物を着るのに資格や覚悟っているの?

着物を着るための資格って?

最近、また着物警察について見かけるようになったので、これも書いておきたいと思います。

以前、こんな文章をtwitterで見かけました。文面はちょっと違いますが、だいたいこんな意味合いのことです。

「覚悟がない人には着物なんか着てほしくない」

「自分の生活や知識では、着物を着る資格なんかない」

これって対みたいなものでもあると思うのですが、どちらもすごく違和感があって、未だによく覚えています。

たぶん、ちゃんと文化としての知識を持って、きちんとした着付けのルールなんかも学んで、日本の伝統を守って着る物が着物、みたいな思い込みなのだろうと思います。


でも、たかが”着る物”じゃないですか。
着るという日常のものに覚悟とか資格とか、そんなものいるの?
 


文化としての和服ならルールは気にしたほうがいいけど


きちんとしろとか資格がいるとか、たぶん頭に浮かんでいるのは、某高級着物雑誌に掲載されているみたいなフォーマル系なのでしょう。いわゆる晴れ着、ですね。

晴れ着の場合は文化だから、確かにルールは守るべきだと思います。お祝い事でも悲しみの席でも、どちらにしても個人よりもその場を優先すべきだと思うからです。一人でも不愉快に感じる服装を大人はするべきではありません。

きちんと理解しないままなんでもOKとばかりに崩すと「形無し」にしかなりません。
中身のある「型破り」は格好いいけど、形無しは文字通り、ふにゃふにゃ、みっともない。

この違いは、基本的なルールや知識を押さえているかどうか、です。
例えていえば、観光地のお土産屋で売っているチャイナドレスと仕立屋でオーダーした位の違いでしょう。英語などの語学でも、単語を並べれば意味は通じるけれど、文法的なきちんとした話し方ができるかでその人の品やクラスが知れてしまいますよね。
こういうのは確かに避けたい。
 

日常着だったら、好きに着ればいい

でも、”着物”だったら、日常着だったら別にいいはずです。
たかが「着る物」ですもの。普段着だもん。
裸で歩いているわけではないだし。誰にも迷惑かけるわけでもないのですから。

これは究極「好き嫌い」でしかない。

好き嫌いには、資格や覚悟なんていりません。
着てみたかったら好きに着ればいいと思います。
洋服MIXでもブーツコーデでも、なんならコスプレでもまったく問題なし。私もよくやるのは一見きっちりしているようで老舗の女将風や姐御風とか裏設定決めて着るやり方です。
まず着物警察に捕またってコスプレだと思えば気になりません。なにより楽しいですよ。

着物を着るのに資格や許可はいりません。
楽しい着物ライフを自由に送りましょう。


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着物警察、遭遇したことありますか?

 

着物警察とは

着物警察とは、初心者の着物の着付けやコーディネートなどにダメ出しをしてくる着物の上級者のことです。面識のない人から着物の着方に同意なしで手直しされたり、勝手に直されたり、注意されたりすることで、 着物に対してネガティブな印象をもってしまう初心者も多いといわれています。

 

着物警察、会ったことある?


白状すると、実は私は着物警察に会ったことが一度もないんです。

よく聞きますよね。
好きに着ているのに、知らない人にあーだーこーだ言われたってお話。
勝手に帯を直されたり、こうであるべきとお説教されたりとか。
好きな着物を好きなように楽しんでいるのに、考えるだけで気持ちが滅入るのわかります。

で、ちょっと考えてみたのです。
どうして私は着物警察に遭遇したことがないのか。

見た目が怖いから、とかいう意見は受けつけません
きっぱり)


初心者感が原因?

実は、私、洋服MIXとかしたことがありません。たまに足元が悪い時はブーツを履いたりはするけど、以前の記事にも書いたようにむしろ歩きにくいのであまりやりません。

そういう意味では割と普通のルールで着ていると思います。

それから、紬とか綿とか麻とかのおしゃれ着が多いです。訪問着とか付け下げとかフォーマルはあまり着ません。着るとしても、どっちかというと自分に合うようにアレンジしたり帯で遊んだりするせいか、あまりフォーマル感というかしゃんなりした雰囲気はないみたいです。


繁華街を歩いていると、よく「これから出勤ですか?」とか聞かれるといえばイメージしてもらえるのではないでしょうか(涙)

つまり、なんとなく玄人っぽいらしいのですね。

それって怖く見えてるのじゃないの?、という意見は受け付けません。きっぱり)

思い込みに負けないでいい

たぶんですが、着物警察の方って、しっかり着付けとか学んだり、花嫁修業的にルールとして覚えた人が多いのではないかと思います。だから「これが正しい!」っていうのが強いし、「間違っているから教えてあげないと!!」という意識が強いのかなあと。いや、それって勘違いでしかないんですけど。

その”教えてあげなきゃ”スイッチになるのが、初心者っぽく見えてしまったり、ルールを知らない人のように見えてしまう、なのではないでしょうか。
私の着付けも実は結構手抜きカジュアルですが、玄人っぽく見えるせいで、個人の勝手として認識されているのかな、とふと思いました。電車の中でおばさまにナンパはされても、文句は言われないし(笑)


某コロナウィルスで自営警察で嫌な思いをしている人も多いと聞きます。着物警察も似たようなもの。
 「正しい」を振りかざしていないかお互い気を付けたいですね。

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着物着た後、自分で洗える?手入れはどうしてる?


基本的な着物の手入れ方法

ハンガーにかけて風を通す

 
着た後の着物は、体温で暖まり湿気を含んでいます。まずは陰干しで汗や湿気をとりましょう。そのまましまうと、カビや黄ばみなどの原因にもなります。襦袢も同様です。
ハンガーは着物用のものを使って袖の部分もしっかり風を通しましょう。
 

専用のブラシや柔らかいタオルで表面のほこりを落とす

 
特に刺繍や金箔のある場所は丁寧に、けしてこすらないように!
ブラシは洋服用は着物には硬すぎるので、専用の柔らかいものを使いましょう。

襦袢から半襟を外して洗う

 
素材によりますが、通常はぬるま湯に中性洗剤を溶かし、たたくように洗います。タオルで水気をとったら、陰干しして乾かします。しわにはアイロンをかけましょう。

しみや汚れをチェックする 

しまう前に、シミや汚れがないかしっかり確認しましょう。特に裾、袖口、袖下、襟元などが汚れやすいです。しっかりチェックしましょう。
 

着物の二大悩み、「着付け」と「手入れ」をどうするか


着物は着たいけど、二大悩みが「着付け」と「着た後の手入れ」ではないでしょうか。
着付けは習えるけど、着物の手入れって結構悩むポイントですよね。

以前、正絹の着物をそのまま洗濯機に突っ込んじゃって(!)縮みまくったという話も聞いたこともあります。だからといって毎回クリーニングに出すのは予算的に厳しいっていうこと、よくあると思います。

そこで、ここで普段に着物を着る私がどうしてるか、をちょっとご披露してみますね。

単衣の着物は自分で洗える?

まず、私は単衣の着物は自分で洗います。
綿の浴衣、麻の着物、場合によっては正絹もです。

理由は、基本的に汗さえ抜いておけば黄変もしないし、着物が長持ちするから。
むしろ汗が染みたままクリーニングに出す方が安心してしまって後から大変だからです。
(クリーニングは油の溶剤で洗濯するようなものなので、水溶性の汚れにはほとんど効果がありません。だから、わざわざ汗抜きとかオプションでやるわけです。)

ただ、これは私が着物の悉皆の勉強をしたことがあるからなので、不安だったらちゃんと信頼できるクリーニング屋さんに相談した方がいいです。
しっかりしたクリーニング屋さんなら、ちゃんと汗対策もしてくれます。

正絹の着物の場合

基本的にたたんで水を通すだけです。ごくごく薄く洗剤を溶かして洗う場合もありますが、絹の繊維は縮みやすいので長い時間水につけておくと単衣といえどもサイズが狂ってきます。
おすすめは浴槽に水を10cmくらい貼って、たたんだ着物を静かに沈めてそのまま上げて、バスタオルなどで水分をとったら陰干しする方法です。
脇だけに霧吹きする方法もよく言われますが、輪ジミになりやすいので全体を付けた方が危険が少ない、と私は思っています。
乾いたら当て布してアイロンをかけます。
伸びやすいので、くれぐれも布を引っ張らないようにするのがコツです。

(慣れていないと形を崩しがちですので、万が一でも後悔しない着物で自己責任でやってください。不安なら無理にせず、ある程度着倒したら解き洗いに出した方がよいでしょう。)

綿の浴衣や麻の着物

私は洗濯機で洗っちゃってます。最近の洗濯機は手洗いモードもあるし問題ないですよ。
(昔の二槽式の方はちょっと試してからの方がよいかも・・・)

強い味方がこれです。

 

くるくる巻いて洗うから型崩れなく、手洗いモードで洗濯機任せでOK。とても簡単です。
干すときになるべくしわを手でたたいてとって、着物ハンガーにかけて干します。しわが気になるところは乾いてからアイロンをかけましょう。


普段着物の秘密兵器はこれ


袷の着物や帯はさすがに私も専門業者さんに出します。
でも、毎回出すのは予算もあるので悩みどころ。

そんな私のとっておきの秘密兵器がこれ!
ハイアールアジアの「ラクーン」!!



これが大変優秀なんですよ。
匂いがとれるだけでなく、8時間モードだと雑菌なども除去してくれるらしい。
着た後に一晩これにかけて、その後陰干ししてからしまうと、傷みも少ない気がします。
とってもお気に入りです。

難点はかなり大きくて場所をとることですが、結構値段もこなれてきているようだし、もし頻繁に着物を着る方なら、着た後の気楽さという面でもおすすめです。
クリーニングなどでもオゾン処理してくれるところもあるので、同じような原理なら目に見えない効果もあるのだろうと思っています。

たたんだ形をくずさなければ、着物の手入れはある程度自分でできる

色々な方法がありますが、自分に合った方法を是非探してみてくださいね。基本的にたたんだ状態で水分を通して汗を抜くこと、これにつきます。
そして袷の着物は絶対にそのまま水洗いしない!

どの方法でも自己責任!絶対はないのでこれだけは肝に銘じましょう。

でもね、着た後に「どうしよう」がなくなると、もっと着物が身近になりますよ。


追記 こちらの記事をアップしてからいくつかご質問頂いたので加筆修正しています。ご質問はメールでお願いします。

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着物は年齢関係なく長く着れる、なんてたぶん幻想です

着物は一枚あればずっと着られるってホント?


着物は歳を重ねてもずっと着れるので、どうせならいいものを購入しましょう、みたいな話を耳にしたことはありませんか?

確かに着物って洋服に比べるとサイズ感はゆるやかだし、おばあちゃんやお母さんの着物も、身長問題があまりに大きくなければ着れます。リサイクルも盛んですし、ある意味タイムレスな衣装として認知されているんじゃないかと思います。

でも、実はそうでもないんですよね。
 


若いから、とかわいげ着物を勧められる理由


例えば、茶道のお稽古をしていらっしゃる方なら、最初の一枚として小紋とか色無地をあつらえることが多いのではないかと思います。その際に「若いうちしか着られないんだから、明るい色がいい」みたいに勧められませんでしたか?
自分が紬みたいなシックなものが着たいのに、やたらかわいらしい感じのを勧められたとか、割とよく聞くような気がします。

これ、別にご年配の方が若い人に期待して言うんじゃないんですよ。本当に、若いうちしか着れない色柄、あるんです。例えば、色無地なんて鮮やかな色合いのものは、アラサーアラフォーになると似合わなくなります。リサイクル店にある色無地ってローズピンクとか多いでしょう?

別に、鮮やかな色柄だって年齢を重ねて着ちゃいけないわけじゃないですよ。そんなルールもないですし。
でも、人によっては(例えば私)かなり痛々しくなるので、できたら避けたほうが無難だと思います。
あわせる帯である程度トーンを落とすことも可能ですが、それでも限界はありますから。

ついでに言うと、袖も長めは似合わなくなります。
歳をとったからと袖を短くする方も実際にいらっしゃるくらいです。(余談ですが、袖丈は身長や年齢に合わせて調整するのが普通です。49cmに決まってます!なんていう呉服屋さんに頼むのはやめましょうね。)


帯位置も胸よりも下げた方が大人っぽいです。着物でも若作りってあるので気を付けたいものです。
レースやフリルよりむしろイタく見えちゃうのです。


着物は年齢にあわせて変化させることができる

なにを言いたいかというと、年齢によって着られなくなる着物があるので、着ておいた方がよいということです。
特に鮮やかな色合いやかわいい文様のものは、着れない時期になってから着ておけばよかったなあ、なんて思っても後の祭りです。
大事にとっておいても仕方ないんです。
仕付け糸がついたまま、一度も着てもらえなかった着物がどれだけ私のところにやってきたか、本当にお見せしたいくらいなんですから。

着物は仕立て直しができる衣服です。年齢が上がったら色を掛けて彩度を落としたり、袖丈を短くしたり、そういう意味では長く着ることができます。
でもそれは、最初に仕立てたその状態で、そのままずっと着れるという意味ではないんです。

着れるうちにガンガン着て、年齢や体形に合わせてフレキシブルに変えていく。
それが本当の着物の楽しみ方じゃないかな、と思います。そこまでできたらタイムレス、ですよね。


 

これを書いた人★

洋服で飲みに行くと「あれ着物じゃないの?」といわれてしまう普段着物研究家。
沖縄独特の茶道「琉球茶道ぶくぶく茶」 の東京分室主催。
noteマガジン「ぶくぶく茶を知ろう! - 東京分室だより -
twitter:https://twitter.com/hijiri_sk
instagram:https://www.instagram.com/hijiri_sk_kimono/
#着物 #日常着物 #kimono #ぶくぶく茶 #琉球茶道 #琉球茶道ぶくぶく茶館 #琉球茶道ぶくぶく茶館東京分室 #茶道 #茶道教室

 

着物は高い?それとも安い?改めて考えてみる。

着物は高い?安い?


着物は高いのでしょうか、安いのでしょうか。

twitterでもこの議論は定期的に盛り上がっていたりしますね。改めて考えてみました。
 

最初は高いと思っておくほうがいい


いろんな意見があることは承知で言います。
基本的に着物はそこそこ高いもの、とはじめは考えておくほうがよいと思います。

なぜなら、着物は「着物と帯」だけでは着れないからです。(現代風に洋服とMIXする方法もありますが、今回は割愛します。)


そうすると、色々必要なのです。いわゆる専用グッズを襦袢、肌着、半襟、帯締め、帯揚げ、下駄や草履、帯まくら、クリップなどなど。普通に着物を着ようと思ったら、最初はそれなりにそろえなければいけません。これが結構馬鹿にならない。それで「あれ?高いんじゃない?」ってなりがち。

 

ベースができればあとは安く済ませられる


でも、心配しなくても大丈夫です。

高いと感じるのは最初だけです。
一旦、ひととおり着られる環境とグッズをそろえてしまえば、フォーマル以外ほぼどんな着物も着られます。

例えていえば、1本自分にあうデニムがあれば、トップスはユーズドのTシャツでもシルクのブラウスでも着れるでしょう。そんな感じです。

そういう意味でも、私はまずは自宅や実家を探索して使えるものを探すことを推奨しますし、それを元に「着た切り雀セット」の製作を力いっぱいおすすめしているのです。

基本の「着た切り雀セット」があれば、後はそれをベースにしていろいろ楽しめます。
着物を着れるようにさえしておけば、数百円数千円のリサイクルや頂く着物で簡単にやすーく着物ライフが楽しめるわけです。


これがいわゆる着物ラバーによる「着物は安いよ」の正体だと私は思っています。

→「着た切り雀セット」についてはこちらの記事でどうぞ


これを書いた人★

洋服で飲みに行くと「あれ着物じゃないの?」といわれてしまう普段着物研究家。
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