お太鼓結びはできないのが普通。


帯とは

着物(長着)の上から腰に巻いて結ぶ細長い布のことです。半幅帯や名古屋帯、袋帯など、種類や格式もさまざまで、主に長さと幅で分類されるケースが多いです。結び方も多くありますが、お太鼓結びを定番とする認識が一般的です。
 

着物生活の最初の関門「帯結び」とは


「浴衣はなんとか着れるけど、着物の帯結びができないからなー。」
そういうお悩み、よく聞きます。

そんなみんなの敵(?)帯結び。
ほとんどの方がまずイメージする帯結びといえば、上にも書いたように「お太鼓結び」でしょう。





こういうのね。(綿の単帯なので、もう一つ形がふわふわしてるけど(汗))

着付けを習いに行っても、自己流で奮闘しても、まず覚えましょう、なのはこれでしょう。
実はなぜこれなのか、という理由はまた別にあるのですが、とりあえず今それは置いといて、この結び方が現代の帯結びのスタンダードなのは間違いないところです。



お太鼓結びは単なるトレンドだった


実はこの帯結び、みんながみんなできなかった、もっと言えば知らなかった時代の方が着物の歴史的な期間でいえば長いんですよ。
というのは、このお太鼓結びって、ものすごく新しい、最新技術を使ったモードスタイルだったからなんです。

お太鼓結びは、約200年前、亀戸天神の橋が再建落成されたとき、渡り初めに呼ばれた深川の芸者たちがその太鼓橋に似せて結んだ全く斬新な帯結びが、広く一般にも流行ったところからきています。

もともと昔々は帯はただの紐でしたし、前で結んでいました。室町時代に平ぐけ帯に(半纏などを着る際に結ぶ幅の狭い帯、男性物の帯をイメージするとわかりやすいかな?)、そこからさらに幅が広くなるのは江戸時代に入ってからのこと。装飾品として凝りだしてからです。


そこからもしばらくは帯の結びはだらり帯、いわゆるだらっと垂らした形が主流。現代でいえば、芸者さんや舞妓さんの帯結びの形と言えばわかるでしょうか。だらーっと帯が垂れ下がってますよね、あれです。




その頃はで前や後ろどちらでも結んでいたようですが、だんだん生活の邪魔になるので帯を後ろで結ぶ方が多くなり、例えば大奥などでは「立矢結び」という斜めに大きなリボンのような形や、武家の奥方は今の浴衣の帯のような「文庫結び」をするようになりました。


帯はベルトではなく飾りだと思えばいい


着付けをする方でないと少しわかりにくいと思いますが、お太鼓結びは帯揚げというスカーフみたいなもの、そして紐のような帯締め、そして枕という固いクッションみたいな道具がなければ結べません。

今では帯結びだけでなく、着物の着付けには道具が必須みたいな感覚が普通ですが、つまり帯揚げや帯締めを使って帯を結ぶようになったのはせいぜい200年くらいのこと。
道具がなければそれなりの結び方をすればいいわけで、お太鼓結びができなければ、着物が着れないわけではないのです(笑)

 

結ばない帯結びだってOK

最近は結ばない帯結びなんていうのもあります。
洋服用のコルセット風ベルトでもいいんです。

帯結びができるに越したことはないけれど、まずはもっと気楽に考えてみてはどうでしょうか。


これを書いた人★

洋服で飲みに行くと「あれ着物じゃないの?」といわれてしまう普段着物研究家。
沖縄独特の茶道「琉球茶道ぶくぶく茶」 の東京分室主催。
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和服と呉服と、たかが着る物。



着物とは

着物とは日本の伝統的な民族衣装のことです。和服や呉服などとも呼ばれます。反物を直線縫いでつなぎ合わせて作られ、解けば一枚の布に戻すこともできる長着と様々な種類の帯を組み合わせて身に着けます。現代で着物という場合は、上着としての羽織や下着である襦袢などを除いたこの長着を指していることが多いようです。

そんな着物ですが、あなたの頭に中に浮かぶのはどんなイメージですか?

たぶん大多数の人のイメージはほぼこんな感じなんじゃないでしょうか?

私もたまにチェックさせて頂いている「美しいキモノ」誌の表紙ですが、まさにお手本と言える着物姿、美しい。
着物そのものもとても素晴らしいですね。

 

和服と呉服と着物


でも、昭和の初期くらいまでは着物で毎日生活する人もいたわけです。
こんなきれいな恰好で雑巾がけとかしてた・・・訳ないと思いませんか?


お出かけ用のワンピースもパーティ用のドレスも、部屋着のTシャツやジャージも洋服ですよね。
ビジネスやフォーマルな場であれば、身に着けるルールがあることも皆さんよくご存じだと思います。
けれども、オフタイムに遊びに行くときにまできちきちのルールはいらない。ある意味着物も同じようなものだと私は思っています。

和服とは

私は上のような着姿について、これは「和服」です、といつも説明しています。

”和の服”、つまり、日本の文化、フォーマルな装いです。フォーマルの意味は”公式”。
お茶会とか結婚式とか、料亭や銀座の一流店の女将さんとか。メイドさんのように働く人でなく、美しくそこに存在しているような方の装い。

 

着物とは

反対に「着物」は、いうなれば”たかが着る物”の総称。
社会的な迷惑にさえならなければ、どんなふうに着てもいいんです。「こうでなきゃいけない。」は実はないと私は思っています。

もちろん、長い間に培われたやり方は恰好よく着るためのとっておきの虎の巻、それを真似しない手はありません。
でも、そうしなければいきなり逮捕されるわけでもないわけです。
ちょっと怖くなくなってきたでしょう?   


呉服とは


ちなみに「呉服」という言い方もありますが、これにはこんないわれがあります。

大阪の阪急池田駅を降りてすぐのところに「呉服神社」という神社があります。
(ちなみにこれ、「くれはじんじゃ」と読みます。「ごふくじんじゃ」ではありません。)

まだ日本ではきちんとした衣服を作る技術がなかった、応神天皇の時代。
呉の国に派遣された猪名津彦命が連れ帰った機織りや染色、縫製の工匠たちをお迎えしたのがこの池田という場所だったのだそうです。

 

海を越えてきた「着る物」


 もうお気づきですね。
「呉服」は、呉から来た服、という意味なのです。
今でいえば、欧州の一流ブランドの服みたいなものだったんじゃないかな。

ちなみに工匠は四人渡来したそうですが、池田の地に祀られているのは呉服と綾織の姉妹。
姉の呉服(くれはとり)が下の宮と呼ばれるこの呉服神社、そして妹の綾織(あやはとり)が山の方にある上の宮と呼ばれる「伊居太(いけだ)神社」祀られています。(諸説あり)


実はこの二人は仲があまりよくなかったそうで、祭事の際に片方だけ詣でたりすると、片方が嫉妬して雨になったりするそうです(笑)。

その話はまたの機会に。


これを書いた人★

洋服で飲みに行くと「あれ着物じゃないの?」といわれてしまう普段着物研究家。
沖縄独特の茶道「琉球茶道ぶくぶく茶」 の東京分室主催。
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