半幅帯は浴衣用だけにあらず。


半幅帯とは

別名「細帯」ともいい、標準の帯の半分の幅(15~17cm)のものを指します。長さは3.6~4mほどが一般的です。袋帯のように二重に仕立てた小袋帯と、一枚仕立ての一重帯があります。主に夏の浴衣に占めることが多いです。
 

半幅帯は浴衣用だけじゃない


半幅帯って、浴衣のイメージが強いですよね。
なんとなく浴衣以外に使っちゃいけないみたいな。

そんなことありません。
普段着のウールや木綿、正絹や献上などの半幅帯なら小紋にだって、フォーマルな意味での「和服」でなければ普通に使っていいんです。そもそも単なる帯の種類、でしかないんですから。


浴衣とセットで売ってるのがメジャーなせいか、裏表色が違うぺらっとした帯しかイメージにない方も多いみたいですが、あれはあくまで浴衣用の単帯。着物と同じで裏のついてる、もっとしっかりした半幅帯はたくさんあります。


私が使っている半幅帯いろいろ



私のヘビロテ帯二本。木綿です。シーズン問わず使います。


こちらもかなりの登場回数の博多献上の半幅帯。浴衣からウール、小紋にだって使います。

博多献上は織り方の名前で、ハリがある生地は形が整いやすく初心者にも扱いやすく人気があります。布を半分におって縫ってあり、袋状であることから小袋帯とも呼ばれます。


アンティークの帯を崩して半幅帯にしたもの。昔はお気に入りの着物が傷むと帯にしたりして長く愛用する人も多かったんです。今でいうリフォームですね。

なにより、半幅帯は、結ぶときに仮紐も不要!帯揚げと帯締めがなくてもOK!
慣れれば本当に簡単なんですよ。



普段着物には半幅帯がおすすめ!


結び方だって、文庫だけじゃありません。お太鼓みたいに結ぶことだってできます。


 角出し風


 貝の口

(出典:半幅結び 小久保美代子)
↑意外と自分の後ろ姿の写真を撮っていなかったので、愛読している本から写真を拝借しました。

角出しなんて一見名古屋帯と見分けがつかないとは思いませんか。上でご紹介したような、シックな半幅帯で結べば、お食事会くらい余裕です。

自分にあった結び方をいくつか見つけたら、それだけ覚えちゃえば普段着物生活には困りません。面倒なら毎回適当でもOK(笑) 帯って別に〇〇結びっていうのにとらわれなくていいいんですよ。スカーフだってそうでしょ?

ベルトじゃないんだし、緩んでこなければいいのですから。


半幅帯は着物界のデニムみたいなもの


結ぶのも楽ちん、そしてやろうと思えば色々な楽しみ方もできる、半幅帯は普段着物の最強の味方。例えていえば着物界のデニムみたいな感じかな。

是非お気に入りの一本(できたら二本)をあなたの着たきり雀セットに加えてみてくださいね。それだけでバリエーションは無限。ますます「今日は着物にしようっと💛」が増えますよ。


 

これを書いた人★

洋服で飲みに行くと「あれ着物じゃないの?」といわれてしまう普段着物研究家。
沖縄独特の茶道「琉球茶道ぶくぶく茶」 の東京分室主催。
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実は付け帯は難しい。

付け帯とは

付け帯とは、胴に巻く部分と背中の結びの部分をあらかじめ分けて形作ってある帯のことです。結ぶ部分の形を縫製してあったり、胴巻きの部分が紐やマジックテープで簡単に身に着けられるようになっているものなど様々な種類があります。

 

付け帯の誘惑

 

着物を着ようと思ったときのネックのたぶん90%以上は帯結びでしょう。
帯結びできない=自分は着物が着れない、と思っている方はかなりいらっしゃるように思います。
 
そんな初心者が着物を着ようと思ったとき、まず手を出してしまうのが「付け帯」です。
浴衣用の安価な「付け帯です!」って主張しているようなものはさすがに論外としても、古着でも意外と付け帯って見つかりますし、手持ちの帯を付け帯にしてくれるサービスなんかもあって、これだ!って思ってしまうんですよね。
あの面倒な帯結びに悩まなくていいなんて!
と思うと、本当に便利に感じてしまう。うん、よおーくわかります。


付け帯には色々な形状がある


 付け帯色々

お太鼓部分と胴の部分が分かれているタイプ。

 一体型。黄色いのは半幅帯。

 きらきらの洋服地で作られているこんなものも。



他にも、お太鼓部分も一枚布で、普通の帯結びのように後ろのは結ぶタイプまで色々な種類があります。


付け帯は、上級者になってから使おう

なにを隠そう、実は私も最初は「付け帯があれば楽ちんだよね!」って色々買い集めました。
上の写真でお分かりのように、結構持ってます。

でも、だからこそ言います。付け帯は初心者にはむしろ難しいって。
理由は簡単です。着姿がきれいに決まりにくいから。

さらには普通に着つけたときとは違う、あり得ない形に崩れてきて恰好悪いからです。

着物は折り紙みたいに、一枚の布を折って体に沿わせる衣服です。それをパーツパーツで身に着けると、あり得ない場所に結び目が来たり、変なところに帯締めが通ったりしてしまう事故が起こります。それをクリアするにはむしろ着付けや帯結びの知識が必要だったりします。

それに、布を折りたたむことで、重なる部分の摩擦があるから、ギューッときつく結ばなくても崩れにくいのです。

でもばらばらにパーツで身に着けるとその摩擦が少ないので崩れやすくなっちゃう。普通なら帯の布で巻き付けるところがせいぜい紐なんですから、さもありなん。すぐに緩んできます。その着姿をきれいに直すにもテクニックと知識がいります。

ちょっと乱暴な例かもしれませんが、ワンピースと、シャツとスカートとの違いみたいな感じです。スカートだけくるくるっとずれたりすることはあっても、ワンピースではないですよね。
それにウエストとかすっきり見せるには結構テクニックがいりませんか。そんな感じです。

着物に慣れている人ならどうなっていればいいのか理解しているので、便利この上ない付け帯ですが、初心者にはハードルが高いのがお分かりいただけましたか。
むしろ着付けに時間がかかる上に、きれいに決まらない確率がうんと上がってしまうんです。
(同じ意味合いで、上下分かれているツーピース型の着物も初心者にはお勧めしません。)


日常の着物には半幅帯がおすすめ

私個人としては、普段に着物を着るなら、付け帯より、むしろ半幅帯の活用をおすすめします。半幅帯って浴衣用のイメージが強いけど、そんなことないんですよ。

浴衣用の単の薄いものではなく、袷仕立てで雰囲気の違う半幅帯を二本、それだけあれば普段着生活には充分すぎるほどです。


これを書いた人★

洋服で飲みに行くと「あれ着物じゃないの?」といわれてしまう普段着物研究家。
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